WordPressのテーマを何十個も試して、「どれもしっくりこない」と感じたことはありませんか。
有料テーマを買ってみたけれど、色やレイアウトを変えたい部分が変えられない。管理画面のカスタマイザーで触れる範囲は限られている。「ここだけ直したいのに」が積み重なって、結局テーマを変えてやり直し——。
この記事では、そんな「これじゃない感」を根本から解決する方法を紹介します。バイブコーディングでWordPressテーマを自分の思い通りにカスタマイズする(あるいはゼロから作る)実践手順です。
プログラミングの専門知識は不要です。AIに日本語で指示を出して、WordPressのテーマファイルを編集していきます。実際に使えるプロンプト例も掲載するので、この記事を読みながらそのまま試せます。
バイブコーディングの基本がまだの方は、先に「バイブコーディングのやり方|始め方から実践手順まで完全ガイド」をご覧ください。
バイブコーディング × WordPressでできること
バイブコーディングとは、AIに自然言語で指示を出してコードを書かせる開発スタイルです。これをWordPressに応用すると、以下のことが可能になります。
テーマの見た目を自由にカスタマイズ
「ヘッダーを固定にしたい」「フッターに3カラムのリンク一覧を置きたい」「トップページのヒーロー画像を全幅にしたい」——管理画面のカスタマイザーでは実現できなかったデザイン変更が、AIへの指示だけで可能になります。
オリジナルのページテンプレートを作成
料金表ページ、サービス紹介ページ、スタッフ紹介ページなど、業種に合わせた専用のページテンプレートをゼロから作れます。既存テーマのレイアウトに縛られません。
functions.phpでサイトの機能を拡張
カスタム投稿タイプの追加、ウィジェットエリアの追加、ショートコードの作成など、プラグインに頼らずサイト機能を追加できます。プラグインの数を減らせるので、表示速度の改善にもつながります。
既存テーマを「子テーマ」で安全に改変
親テーマを直接編集するとアップデートで上書きされます。バイブコーディングなら「子テーマを作って」と指示するだけで、安全にカスタマイズできる環境が整います。
つまり、WordPressの「テーマに合わせてサイトを作る」から「サイトに合わせてテーマを作る」への転換が、バイブコーディングで実現できるということです。
準備するもの
バイブコーディングでWordPressテーマを編集するために必要なものは3つだけです。
1. AIコードエディタ「Cursor」
Cursorは、AIが組み込まれたコードエディタです。無料プランでもAI機能が使えます。詳しいインストール手順は「Cursorでホームページ作成|プロンプト例付き完全ガイド」で解説しています。
2. WordPressサイト(ローカルまたは本番)
すでにWordPressサイトを運営しているなら、そのテーマファイルをCursorで開くだけでOKです。まだない場合は、Local(無料)でパソコン上にWordPress環境を作れます。
3. FTPまたはSSHでのファイルアクセス
本番サイトを直接編集する場合は、FTPソフト(FileZillaなど)かSSH接続が必要です。ローカル環境ならフォルダを直接開けるのでFTPは不要です。
具体的な手順:CursorでWordPressテーマをカスタマイズする
ここから実践に入ります。既存テーマの子テーマを作成し、カスタマイズしていく手順を解説します。
ステップ1:子テーマを作成する
まず安全にカスタマイズするための子テーマを作ります。Cursorのエージェント機能(⌘+I)を開いて、以下のように指示します。
WordPressの子テーマを作成してください。
・親テーマ: flavor(※お使いのテーマ名に変更)
・子テーマ名: flavor-child
・style.css と functions.php を作成
・functions.php で親テーマのスタイルシートを読み込むこと
AIが style.css(テーマ情報のヘッダー付き)と functions.php(wp_enqueue_scripts で親テーマのCSSを読み込む処理)を生成してくれます。
生成されたファイルを wp-content/themes/flavor-child/ に配置し、WordPress管理画面で子テーマを有効化すれば準備完了です。
ステップ2:functions.phpで機能を追加する
子テーマの functions.php に機能を追加していきます。たとえば「お知らせ」用のカスタム投稿タイプを追加したい場合、Cursorに次のように指示します。
WordPressのカスタム投稿タイプ「お知らせ(news)」を追加するコードをfunctions.phpに書いてください。
・投稿一覧にカテゴリ分類を追加
・管理画面のメニューに表示
・アーカイブページを有効にする
AIが register_post_type() と register_taxonomy() を使ったコードを生成します。生成されたコードを確認し、問題なければ保存します。
確認ポイント:管理画面の左メニューに「お知らせ」が追加されているか、投稿画面でカテゴリ分類が使えるかを確認しましょう。
ステップ3:テンプレートファイルを作成する
専用のページテンプレートを作成します。たとえば料金表ページを作りたい場合:
WordPressのページテンプレート「料金表(page-pricing.php)」を作ってください。
・get_header() と get_footer() を使う
・料金プランを3カラムで表示(ライト/スタンダード/プレミアム)
・各プランに価格・特徴リスト・CTAボタンを配置
・おすすめプランに「人気No.1」バッジをつける
・レスポンシブ対応(スマホでは1カラム)
WordPress固有のテンプレート階層(get_header()、get_footer()、テンプレート名のコメント)を含んだPHPファイルが生成されます。
ステップ4:CSSでデザインを調整する
子テーマの style.css にデザイン変更を追加します。
以下のCSSを子テーマのstyle.cssに追加してください。
・ヘッダーを白背景で上部固定(sticky)にする
・ナビゲーションリンクのホバー時に下線アニメーション
・フッターの背景色を #1E1E2E に変更
・本文の行間を1.8に
・見出しh2の左に青いアクセントバー(3px幅)をつける
CSSの場合、AIの出力をそのまま使えることが多いですが、ブラウザのデベロッパーツール(F12)で実際の表示を確認する習慣をつけてください。親テーマのCSSとの優先度(詳細度)の問題で効かない場合があり、その場合はAIに「詳細度が足りないので修正して」と指示すれば対応してくれます。
ステップ5:プレビューと修正の繰り返し
WordPressのプレビュー画面でデザインを確認し、違和感がある部分をAIに修正指示します。
- 「スマホ表示でヘッダーのロゴが大きすぎるので、max-width: 120px にして」
- 「料金表のボタンの角をもっと丸くして、ホバー時にふわっと拡大するようにして」
- 「フッターのコピーライト表記の年を自動更新にして」
この「指示 → 確認 → 修正」の反復がバイブコーディングの本質です。1回で完璧にはなりません。3〜5回のやり取りで仕上がるイメージで進めましょう。
実際に使えるプロンプト例
ここからは、WordPressテーマのカスタマイズで実際に使えるプロンプトを紹介します。コピーしてそのまま使えます。
プロンプト例1:ブログ記事一覧をカード型レイアウトに変更
WordPressのブログ一覧ページ(archive.php)で、記事をカード型のグリッドレイアウトで表示するように変更してください。
要件:
・PCで3カラム、タブレットで2カラム、スマホで1カラム
・各カードにアイキャッチ画像・投稿日・タイトル・抜粋文(80文字)を表示
・カードにはホバー時にわずかに浮き上がるシャドウアニメーション
・画像がない記事にはダミー画像(グレー背景にカメラアイコン)を表示
・子テーマのファイルとして作成
プロンプト例2:お問い合わせページに地図とアクセス情報を追加
WordPressの固定ページテンプレート「お問い合わせ(page-contact.php)」を作成してください。
構成:
・ページ上部にGoogle Mapsの埋め込み(iframe、横幅100%、高さ400px)
・その下にアクセス情報(住所・最寄駅・営業時間)を2カラムで配置
・右カラムにContact Form 7のショートコードエラー: コンタクトフォームが見つかりません。
を配置
・レスポンシブ対応(スマホでは1カラムに切り替え)
・子テーマのテンプレートとして作成
プロンプト例3:トップページに「最新のお知らせ」セクションを追加
WordPressのfront-page.phpに「最新のお知らせ」セクションを追加してください。
・カスタム投稿タイプ「news」から最新3件を取得して表示
・日付・タイトル・抜粋を表示し、タイトルクリックで個別記事へ遷移
・セクション下部に「お知らせ一覧を見る」ボタン(アーカイブページへリンク)
・WP_Queryを使い、メインクエリに影響を与えないこと
・wp_reset_postdata() を忘れずに呼ぶこと
プロンプト例4:投稿記事の下に関連記事を自動表示
WordPressの single.php に関連記事セクションを追加してください。
・同じカテゴリの記事を最大4件表示(現在の記事は除外)
・アイキャッチ画像・タイトル・投稿日を表示
・該当記事がない場合は最新記事を表示
・横スクロールではなくグリッド表示(PCで4カラム、スマホで2カラム)
・プラグインは使わず、WP_Queryで実装
ポイントは、WordPressの関数名(get_header、WP_Query、wp_reset_postdataなど)を指示に含めることです。AIはWordPressの関数を理解しているので、こちらが関数名を指定するとコードの品質が上がります。WordPressの関数名がわからなくても、「WordPressのベストプラクティスに従って実装して」と添えれば、AIが適切な関数を選んでくれます。
注意点:バイブコーディング × WordPressで気をつけること
便利な反面、WordPressならではの注意点があります。ここを軽視すると、サイトが真っ白になったり、セキュリティホールを作ってしまったりするリスクがあります。
1. 必ず子テーマを使う
親テーマを直接編集すると、テーマのアップデート時にすべての変更が上書きされて消えます。最初に子テーマを作成し、すべてのカスタマイズは子テーマ内で行ってください。
2. 編集前にバックアップを取る
functions.php の記述ミスはサイト全体を表示不能にします。編集前に必ずバックアップを取りましょう。おすすめの方法は2つです。
- プラグインで自動バックアップ:UpdraftPlusなどで毎日自動バックアップを設定
- Gitでバージョン管理:テーマフォルダをGitリポジトリにして、変更のたびにコミット
Gitを使えば「3日前の状態に戻す」が1コマンドでできるので、バイブコーディングとの相性が非常に良いです。
3. セキュリティに関わるコードは慎重に
AIが生成するコードは機能的には正しくても、セキュリティ面が甘いことがあります。特に以下の点に注意してください。
- ユーザー入力のサニタイズ:フォームの入力値を処理するコードは
sanitize_text_field()やesc_html()が使われているか確認 - SQLクエリのエスケープ:
$wpdb->prepare()が使われているか確認 - nonce検証:フォーム送信処理に
wp_nonce_field()とwp_verify_nonce()があるか確認
Cursorに「このコードにセキュリティ上の問題がないか確認して」と聞くのも有効です。ただし、AIの判断を100%信用するのではなく、上記の3点は自分の目でも確認しましょう。
4. ローカル環境で動作確認してから本番に反映する
本番サイトで直接編集するのは避けましょう。Localなどのローカル環境で動作確認してから、本番に反映するフローが安全です。
5. PHPのバージョンに注意
AIが生成するPHPコードは最新のPHP 8.x向けの書き方になっていることがあります。レンタルサーバーのPHPバージョンが古い(7.4以前)と動かない場合があるので、サーバーのPHPバージョンを確認し、必要に応じてAIに「PHP 7.4互換で書いて」と指示してください。
費用比較:テーマ購入 vs 制作会社 vs バイブコーディング
WordPressサイトのカスタマイズにかかる費用を3つの方法で比較します。
| 項目 | 有料テーマ購入 | 制作会社に依頼 | バイブコーディング |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 10,000〜25,000円 | 30万〜100万円以上 | 0〜4,000円/月(Cursor Pro) |
| カスタマイズの自由度 | テーマの設定範囲内 | ほぼ自由(予算次第) | ほぼ自由 |
| 制作期間 | 1〜3日 | 1〜3ヶ月 | 1〜7日 |
| 修正対応 | 自分でやるしかない | 追加費用が発生 | AIに指示するだけ |
| 必要なスキル | WordPress管理画面の操作 | 不要(丸投げ可能) | 日本語でAIに指示を出す力 |
| おすすめな人 | 既存テーマで十分な人 | 予算があり、完全お任せしたい人 | 自分のこだわりを反映したい人 |
有料テーマは手軽ですが、カスタマイズの限界にすぐぶつかります。制作会社は自由度が高い反面、コストと期間がかかり、修正のたびに追加費用が発生します。
バイブコーディングは、自分のペースで、低コストで、自由にカスタマイズできる点が最大のメリットです。「テーマ探しの無限ループ」から抜け出したい方には、試してみる価値があります。
具体的な費用感をもっと詳しく知りたい方は、「ホームページ制作費用の相場と見積もり|無料シミュレーターで30秒診断」で簡単に確認できます。
「自分でやるのが不安」な方へ
バイブコーディングは強力な方法ですが、「WordPressのファイルを触るのがどうしても怖い」「自分のサイトで失敗したくない」という気持ちもよくわかります。
そんな方向けに、2つの選択肢を紹介します。
選択肢1:バイブコーディングを学ぶ
アントワが運営する「Vibe教室」では、バイブコーディングの実践スキルをオンラインで学べます。WordPress制作の課題も扱っているので、この記事の内容を講師と一緒に進められます。
- 実際のWordPressサイトを使った実践演習
- つまずいたときにすぐ質問できる環境
- プロンプトの書き方から本番反映までサポート
選択肢2:プロに任せる
「自分でやる時間がない」「確実にプロ品質で仕上げたい」という場合は、アントワのWeb制作サービスをご検討ください。バイブコーディングを活用したAI駆動開発で、通常の制作会社より短納期・低コストでWordPressサイトを制作します。
どちらの選択肢も、まずはお気軽にご相談ください。
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- ホームページ制作費用の相場と見積もり|無料シミュレーターで30秒診断
よくある質問
Q. バイブコーディングでWordPressテーマを作るのにプログラミング知識は必要ですか?
基本的には不要です。AIに日本語で指示を出せばコードが生成されます。ただし、WordPressの基本的な仕組み(テーマフォルダの構成、functions.phpの役割、テンプレート階層の概念)を理解しておくと、より的確な指示が出せます。完全にゼロからの場合は、バイブコーディングの基本を先に学ぶのがおすすめです。
Q. 既存のWordPressテーマをバイブコーディングでカスタマイズできますか?
はい、できます。子テーマを作成して、変更したい部分だけを上書きする方法が安全です。たとえば「ヘッダーのデザインだけ変えたい」なら、子テーマに header.php をコピーしてCursorで編集するだけです。親テーマの他の部分はそのまま使えます。
Q. バイブコーディングで作ったテーマにセキュリティ上の問題はありませんか?
AIが生成するコードは基本的に正しいですが、セキュリティ対策が不十分な場合があります。特にフォーム処理やデータベース操作を含むコードでは、サニタイズ(入力値のクリーニング)とエスケープ(出力値の安全化)が実装されているかを確認してください。確認方法がわからない場合は、AIに「このコードのセキュリティをチェックして」と依頼しましょう。
Q. Cursor以外のツールでもWordPressテーマのバイブコーディングはできますか?
できます。GitHub CopilotやClaude Code、ChatGPTなどでもWordPressのコード生成は可能です。ただし、Cursorはファイルの直接編集やプロジェクト全体の把握に優れており、WordPressテーマの複数ファイルを扱う作業には最も適しています。
Q. バイブコーディングで作ったWordPressサイトの保守・運用はどうすればいいですか?
通常のWordPressサイトと同じです。WordPress本体・プラグインの定期アップデート、バックアップの自動化、セキュリティプラグインの導入を行ってください。加えて、テーマファイルをGitでバージョン管理しておくと、問題が起きたときに過去の状態に戻せるので安心です。不安な方はアントワの制作サービスで保守プランもご用意しています。